花粉症について
花粉症はアレルギー疾患のひとつで、植物の花粉が目、鼻、のど、気道などの粘膜や皮膚に触れる事により引き起こされる症状(くしゃみ、鼻水、鼻つまり、目のかゆみなど)です。
日本人の4人に1人が花粉症とされ、そのほとんどがスギ花粉症です。
最近では年齢を重ねてから花粉症を発症する人も増えてきています。
花粉症は放置していいの?
ただの鼻水、鼻づまり、目のかゆみでしょ?と花粉症をあなどってはいけません。これを放置していると集中力や判断力が低下したり、不眠症になったりします。また嗅覚や味覚にも障害がでてきます。日常生活に支障をきたす困った病気です。
花粉症の検査
一般的には血液検査をします。
アレルギー症状の強さを知るために、好酸球やIgEの数値や比率を測定します。
好酸球とは白血球の一種です。
白血球は、リンパ球、好中球、好酸球、好塩基球に分類されます。その中で好酸球は、0~7%ぐらいを占めています。アレルギー症状が強いと好酸球が増えます。
IgEとはアレルギー反応で作られるたんぱく質(グロブリン)の一種です。
アレルゲン(アレルギー反応を起こす原因となる物質)による感作がおこると、そのアレルゲンにだけ結合することができる特異IgE抗体が形質細胞で産生されます。産生されたIgE抗体にアレルゲンが結合するとアレルギー反応が起きます。
アレルギーの血液検査で測定しているのが、このIgE抗体の量です。当院では主に4~12種類位を調べる事が多いです。症状が強かったり、1年中症状がある方については、数十種類調べることもあります。
アレルギーの検査値には欠点があります。
・数値の高さ≠症状の重さ
・陽性になっても症状がないことがある
しかしアレルギー疾患の治療方針を決定する上で有用な指標であるため一度検査をしておく事をお勧めします。
治療法
まず可能ならば、原因となるアレルゲンを回避します。マスク・眼鏡・手洗いもアレルゲン回避の手段の一つといえます。
可能な範囲で回避したうえで症状軽減のための薬物療法を行ないます。
① 漢方薬
② 抗アレルギー薬
③ ステロイド
④ 点鼻薬・点眼薬
⑤ 注射(ノイロトロピン注射)
どの治療法にも一長一短があります。
漢方や一部の抗アレルギー薬は市販薬(ドラッグストア)でも手に入りますが治療が長期間に渡る場合や効果が少ない場合は医療機関を受診し医師と治療方針を相談することがお勧めです。